任務に焼かれるとき ― RIRUKAが描いたRahabの崩壊

When a Mission Burns: RIRUKA’s Oil Painting of Rahab’s Inner Collapse RIRUKA

音がキャンバスに染み込むとき

楽曲と絵画が出会うとき、そこに生まれるのは「物語の拡張」です。今回紹介する油彩作品は、私の楽曲「Rahab’s mission」にインスパイアされて、美大生画家RIRUKAが描き下ろしたものです。

この作品は単なるキャラクターイラストではありません。むしろそれを完全に超えています。これは「精神の破裂音」であり、「任務に蝕まれた一人の女性スパイの内部崩壊の記録」です。


RIRUKAという存在:感情を描く筆の主

RIRUKAは現役美大生で、主に“ノイズ”と“崩壊”をテーマにした作品を描いています。彼女の作品は、心理的ノイズやアイデンティティの揺らぎ、社会的な違和感を視覚的に表現し、その筆致はどこか暴力的でありながらも、確かな美しさと痛みを孕んでいます。

この絵も例外ではなく、むしろ彼女の作風が最も生きた形となっています。


「Rahab’s mission」とは何か

私が書いたこの楽曲は、架空のスパイRahabの物語を軸にした、ポストパンク〜インダストリアルな曲です。彼女は常に誰かに監視され、命令され、自分という存在を削りながらも生きている。そして、彼女の影にはもう一人の自分「Moka」が常に寄り添い、時に導き、時に破壊していく存在として描かれます。

その音世界は不穏で、断片的で、どこか「歪んで」います。まさにこの絵と同じように。


油彩画の中の崩壊とノイズ

● 色彩

  • :この絵のほぼ全体を支配する赤は、血、怒り、記憶、暴力、そして熱を象徴します。感情の噴出とも取れるその色は、見る者の脳を直接揺さぶってきます。
  • :輪郭が崩れるような筆致の黒は、存在の曖昧さ、暗闇、監視されている気配、そして“正体の不明さ”を表します。
  • 黄色:髪に差し込む微かな黄色は、かすかな理性、またはラストチャンスのようにも感じられます。

● 構図と筆致

画面左半分は“ノイズ”として崩壊しています。ブラシのスピード感、輪郭の歪み、グリッチ風の演出。これらはまるで、Rahabという存在そのものがデータ化され、破壊され、上書きされているようです。

対して右側は比較的静かですが、その静けさがかえって異常性を際立たせています。

● 顔の描写

目元に垂れる汗(あるいは血か涙か)、口元の無表情、そして半分見えない視線。それらは彼女が“正気”と“任務”の間で引き裂かれていることを雄弁に物語っています。


シンボルと意味性

この絵で最も目を引くのは“片目”です。すべてが崩壊していく中で、その目だけは明確に描かれており、まるで見る者に「お前はこの崩壊をどう見る?」と問いかけてくるようです。

そして、全体に漂う“ノイズ”。音ではなく視覚的なノイズは、Rahabの精神状態そのものであり、「自分自身が誰なのか分からなくなっていく過程」を象徴しています。


あなたは、何を感じる?

この作品を見たとき、あなたは何を想いましたか?
怖さ?共鳴?不快感?安堵?

ぜひSNSであなたの感想をシェアしてください。#RahabsMission と #RIRUKA をタグして、あなた自身の“ノイズ”を響かせてください。


最後に

この絵は、Rahabの物語の一部です。そして、私たち自身の物語でもあります。
誰もが、どこかで“任務”に生き、“ノイズ”に晒され、“自分”を見失いそうになる。

RIRUKAのこの作品は、そうした崩壊と再生の断面を、真っ赤に焼きつけてくれました。

見てください。聴いてください。そして、感じてください。
それが、この作品の“任務”です。

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